旭川女子中学生いじめ凍死事件(2021年)

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 用語集」とは無関係なので、独立ページに書かせて頂きます。

「旭川女子中学生いじめ凍死事件」とは、2021年2月13日、北海道旭川市の当時中学2年生のH・Sさん(以下Sさん)が行方不明になり、
同年3月23日に公園で凍死した状態で発見された事件である。
事件前後の状況から、中1の時に受けたいじめのPTSD(心的外傷)を苦にしての自殺と結論付けられている。

また、Twitter(現X)では、Sさんの動機等について、母親の育て方や家庭環境に問題があったなど、
「極近しい者しか知り得ない」情報をツイートしていた「きなこもち」というアカウントが、Sさんの母親によって訴えられ、
2023年6月15日、「きなこもち」として投稿していた女性(詳細不明)に対し、
旭川地裁は、名誉毀損と精神的苦痛の慰謝料として165万円の支払いを命じた。

他にも、ネットの特定班や迷惑系YouTuberによる晒しや凸が過熱し、逮捕者も出ている。

更に、「女子中学生の体力で、何kmも移動するのは難しい」として、自殺を装った誘拐殺人、
未成年の買春をしのぎにしているマフィアによる組織的な犯罪など、憶測に尾ひれが付いたと思われるデマも相次いでいる。
より悪質なものでは、教頭がSさんのわいせつな写真を携帯のカメラで撮影し(公務員がやれば一発でクビ)、
Sさんに対し卑猥な言葉を吐いたとする、Sさんの名誉を傷付けるデマも出ている。

そのようなデマを拡散している者は、幾ら再生数を稼ごうと、情報の真偽を見分ける能力がないインターネット初心者であると言える。
(分かっていてやっているなら、猶更悪質であるが。)

私刑やネットリンチは本来悪であるが、社会心理として存在するのは確かである。
しかし、事件やSさんの死、人々の怒りを利用して、注目や金儲けを目論む者もいる事を、忘れてはならない。
YouTubeでは、動画を視聴するだけで、動画の拡散を手伝ってしまうというシステムがある為、
よほどの調査力がなければ、出来れば一次情報以外を頼るべきではないかも知れない。

PTSD患者の自殺について[編集 | ソースを編集]

Sさんは失踪する直前に、自殺を仄めかすメッセージを残していたが、回復の兆しを見せていたにもかかわらず、
行動が矛盾しているとして、自殺を疑問視する声がある。
しかしこれは、真実はさておき、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と「一般的な心的外傷・トラウマ」の理解が先ず乏しいと言える。
PTSDの疫学や定義として①トラウマへの反応の持続性と強度 ②フラッシュバックや回避行動の発現
そして③自殺のリスクが挙げられ、心の傷やフラッシュバックが薄まる事はないのである。

ある話であるが、80代半ばで認知症になったおばあさんが、小学校の時のいじめっ子に怯え、
何度も自殺未遂をしていたという事があり、心の傷は、蓋をしていても一生残ると言える。
また、PTSDは男性よりも女性に多く見られ、その多くが性被害が原因と言われている。

デジタルタトゥーへの不安[編集 | ソースを編集]

また、今の時代、児童ポルノ画像は厳格に取り締まられているが、Sさんの周辺の人は法律や社会規範を守る事への意識が乏しく、
自身のデジタルタトゥーが不特定多数に拡散される不安を苦にしていた可能性もある。

また、Sさんが利用していたDiscordはZ世代や未成年が多く利用しているソーシャルメディアであるが、
Twitter以上に匿名性が高く、悪意のあるユーザーによる、児童ポルノや恐喝行為のリスクが懸念される。
したがって、Sさんに接近したユーザーも、決して良識のある人達ばかりではないという可能性もある。
DiscordはSさんと同じように、いじめが原因でひきこもっている少年少女も多くいるかも知れないが、
ネットの依存している彼らに付け入ろうとする者が現れる事も、容易に想像出来る。

同事件の8年4か月前の2012年10月10日、カナダで15歳の少女が、ネットで自身のわいせつな画像を拡散された事を苦に、
自殺する事件が起こっている。
後に逮捕された犯人はオランダに住む35歳の男で、男はボイスチェンジャーなどを駆使して他人に成り済まし、
少女にわいせつな画像を送らせ、それをネタに恐喝していた事が分かった。
被害者数は立件されただけでも39人(女性34人、男性5人)に上り、オランダ、イギリス、カナダなど、
英語圏の国々を中心とする欧米何カ国にも及んだ。
男はオランダとカナダで計24年の懲役が言い渡されている。
これは韓国の「n番部屋事件」に次ぐ程、稀に見る凶悪事件であると言えるが、
IT関連の法整備が進んでいる海外において、侮辱罪や名誉毀損罪、違法ポルノの刑事・民事責任は重大で、
文字通り、一生後悔する事になりかねない。

井の中の蛙になっているのは、どこぞの特定保守派・過激派だけであると言える。

性加害とPTSD[編集 | ソースを編集]

多くの国の刑法において、被害者への攻撃により、PTSDを発症させた場合、傷害罪に問われる可能性がある。
被害者と無理矢理性交し、PTSDを発症させた場合、「強制性交等致傷罪」に問われ、最大で無期懲役が言い渡される可能性がある。
残念ながら、この事件を取り上げる界隈では、いじめと性被害の影響の複雑さを十分に理解しておらず、
女性や子供の性について「値打ちが付く」事による問題も、十分に理解していないように思われる。